茜子の日記

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私が推したい韓国ドラマについて

お題「もう一度見たいドラマ」

 

 

韓国ドラマが好きな人は多い。

 

昔はヨン様つながりでハマったおばさま達が大多数だった韓ドラファンも、今ではケーポップの流行に乗って女子大生を中心に若者層にまで広がっている。

 

私は東方神起が好きでずっと韓国に関わってきたし、母親が韓ドラを見たりしていたが、私自身

 

実は韓国ドラマはそんなに好きじゃない。

 

韓国語に막장드라마という言葉があるが、この意味は “非現実的であまりにも無理のあるドラマ”。

 

要するに、主人公が不治の病で…や、不倫でドロドロ…や、財閥の後継者争い…などなど 韓国ドラマで本当によく見るありがちなドラマのことである。

 

 

私はそのようなドラマが  大の苦手!!!

 

そりゃあ、そのようなフォーメットのドラマが無かった頃はそれが新鮮で面白かったのだろうが今はどう考えても多すぎるし、全く面白みを感じない。

 

韓国映画「サニー」ではそのような막장드라마を風刺する場面も見られた。(劇中、病室のテレビに流れるドラマに患者たちが注目するが、ドラマの中の愛し合った男女は実は血の繋がった兄妹だった…というオチに患者たちがキレる)

 

韓国ドラマにはあまりにも막장드라마が多い気がする。

 

それに、20話以上を作るのが当たり前になっているため、意味をなさない不要なシーンが多すぎる。

 

 

そんな韓ドラに好感があまりない私だが、好きな韓ドラも存在する。元々韓国映画が好きなため、好きな俳優も多く、韓国の俳優の演技力には絶大なる信頼を寄せている。

 

韓国はケーブルテレビの加入率が高く、ケーブルテレビ局が多くの番組を作り出している。最近は地上波よりもケーブルテレビの方が人気だ。

 

tvNという韓国のケーブルテレビ局は近年製作したドラマ全てが大ヒットしている。

 

以下、私が気に入った韓ドラのリストであるが、その全てがtvN製作であることは後に知った。

 

1.応答せよシリーズ   

 

言わずと知れた応答せよシリーズ。

第一弾の1997のヒットに続き1994、1988と現在まで3つの作品が作られた。誰にでもウケるような初恋のストーリーを面白みを持って見事に書き上げた脚本と、韓国の今と昔をうまく繋ぎ、描き上げた演出。全世代が楽しめるコンテンツとして唯一無二の存在感を放っている。

 

1997はアイドルH.O.Tが大好きな釜山の高校生シウォンと幼馴染たちの話。1994は延世大のバスケ部選手の追っかけをする延世大学生ナジョンと下宿生達の話。1988はソウルのひとつの通りで暮らしてきたご近所家族の話。

 

韓国の80年代、90年代を描いた作品を見ていると、国民全員が共有する思い出の歌や出来事が多く存在しているのがとても面白い。

 

それに至っては現代の韓国でも感じる部分は多い。ファッションや音楽などのトレンドもそうだし、社会的なイシューへの関心度が非常に高いため 国民がひとつの同じ集団として多くの物事を共有する。そのような  思い出の共有をしてくれるドラマこそ、応答せよシリーズなのである。

 

また、このシリーズが面白いのが新人俳優の発掘がとても上手いこと。このドラマの主要キャストは殆どが新人や無名俳優。 オーディションを開催し、ひとりひとりじっくり相性を見ながらキャスティングする。

地方出身の登場人物が多いため、実際にネイティブ方言が使えるかなども選考基準になる。

このシリーズが生み出したスターはひとりやふたりではない。歌手のAPINK ウンジ、GIRLS DAY ヘリ、ソ・イングクを始め 映画俳優ジョンウ、ユ・ヨンソク、ソン・ホジュンに続き、今をときめくパク・ボゴム、リュ・ジュンヨルなど…みな応答せよシリーズが生み出したスター達だ。いつしかこの応答せよシリーズは 若手俳優の登竜門 としての地位を獲得した。

 

このドラマのプロデューサー、シン・ウォンホPDは元々バラエティ番組を担当していたプロデューサーということもありコメディ要素も多く取り込まれている。毎話毎話に名場面が生まれることも、ドラマの成功の秘訣なのかもしれない。

 

f:id:nekonyao17:20180430232027j:image*応答せよ1994韓国版ポスター

 

 

 

 

 

 2. 未生(ミセン)

 

アイドル出身のイム・シワン主演。このドラマはなんと韓国ドラマにしては異例の“恋愛要素ゼロ” 。 学歴は高卒認定、コネで大手企業に入社することになったグレの成長物語といってしまえば簡単だが、多くの人の人生を考えさせられる素晴らしい内容であった。

 

韓国は日本よりも学歴社会で、就職難。高校生は必死で良い大学に入ろうと努力し、大学生たちもまた大企業に就職するために必死でスペックを積む。

 

良い大学に入るか、アイドルになって売れるかしか道がないという言葉まであるほど、韓国社会は厳しい。

 

ということは、大企業に入る新入社員がいかに凄いか。

そんな社会の中で

最終学歴は高卒認定、特に何もできない…囲碁しかできない奴がコネで入ってきた。必死で入ってきた同期たちの気持ちは言うまでもない。

 

ミセンが幅広い層から支持されたのは、さまざまな事情を持つ登場人物を通して視聴者が共感できる部分が多かったからだ。これから社会を経験するであろう若者、今現在社会人として働く者、仕事と家庭を両立する者…。まさに現実を映し出すストーリーに誰もが釘付けになった。

 

男尊女卑の考え方から差別やセクハラを受ける女性社員。産休や育休を取ると「これだから女は…」と言われる。そんな社会で女性はどう生き抜くべきなのか、ミセンは提起する。

 

中でもわたしがすごい!と思ったのは、伏線である。

サスペンスやミステリーでもないこの手のドラマで、これほど伏線を張らせるとは、想像もしていなかった。

このドラマはイム・シワン演じるチャン・グレがアラブ系の国で走り回っているシーンから始まる。アクション映画の幕開けかと思わせる、ミセンのイメージとはあまりにも似合わないシーンであったため最初は戸惑ったが、後々わたしは大きく感嘆することになる。

さあ、このシーンがどのような意味を持っているのか?

 

 

f:id:nekonyao17:20180520185017j:image    ※ミセン 韓国版ポスター

 

 

 

3. シグナル

 

 

今期日本でリメイクされることとなった韓国ドラマ「シグナル」。 過去に生きる刑事と現在に生きる刑事がひとつの無線で繋がり、未解決事件を解決させるという設定。

 

主演は演技派俳優、イ・ジェフン。個人的に好きな俳優でもあるし、サスペンスは大好物なので期待大で見始めたこの作品。 大当たり。めちゃくちゃ面白い。

 

まず、このドラマに出てくる未解決事件は、韓国で実際にあった未解決事件 を基に再構成されたもの。

 

実在する全く別の事件どうしを上手く連結させ、また過去と現在の刑事を繋ぎ合わせながら物語は進んで行く。全く不自然な部分の無い、完璧なシナリオが見事だった。

 

中でも特に有名な「京畿南部連続殺人事件」(華城連続女性殺人事件)。  この事件は映画「殺人の追憶」などでも取り扱われている未解決事件。とある田舎町で10人近くの女性が残虐な方法で殺されたが、雑な現場管理、警察のずさんな捜査など…多くの原因により有力な犯人すらろくに見つけられぬまま未解決事件として残ってしまった。

 

イ・ジェフン演じる現在の刑事パク・へヨンと

チョ・ジヌン演じる過去の刑事イ・ジェハン

 

2人にとって過去を変えるということは難しいことではなかった。彼らは無線を通じて協力しながら、事件を事前に防いだり犯人逮捕に力を注ぐ。それこそが2人の役目であり、正義であった。

 

だが、正義のために過去を変えるということは、良いことばかりではなかった。事件ひとつ防いだために死ぬはずではなかった人が死んでしまったり、過去がどんどんこじれていく。そのような現実にもがき苦しみながら2人はお互いが誰かも知らないまま、正義だけを信じて突き進んでいく。

 

このドラマを見ていると欧米のCISシリーズやコールドケースなどのサスペンスドラマを思い出す。

展開の重さに比べ、クールでスタイリッシュな演出。

登場人物の持つキャラクターのバランスも良い。

 

火曜サスペンス劇場、相棒、踊る大捜査線など、日本ではサスペンスドラマのシリーズ化が定着しているが、韓国はそうではない。

恋愛ものがヒットしやすい韓国ドラマ界で、サスペンス系としては異例の大ヒットとなった今作。

“サスペンス不毛地帯”とまで呼ばれた韓国ドラマ界に大きな変化をもたらした。

 

2018年下半期の放送を目標にシーズン2が製作中である。このドラマがのちに韓国のサスペンス界において唯一無二の存在になることは間違いないだろう。

 

f:id:nekonyao17:20180522014037j:image  ※シグナル 韓国版ポスター

 

 

 

 

以上、私が推したい韓国ドラマについてでした。

これからもtvNドラマから目が離せない!